昔なら、60歳は定年を迎えて「余生」に入る年齢だったのかもしれません。
でも、人生100年と言われる今、60歳から先にはまだ長い時間があります。
ここで面白いのがジェロントロジー(老年学)です。
「老年学」と聞くと、介護や認知症など、高齢になってからのことを扱う学問のように思うかもしれません。
でも実際には、人が年齢を重ねる中で、心や体、暮らし、人との関係がどのように変化していくのかを幅広く見つめ、よりよく生きることを考える学問なんです。
では、そこに「お金」を重ねてみたらどうでしょう。
60歳だから「もう投資は終わり」と一律に決めるのではなく、これから何年働くのか、年金はいつから受け取るのか、どんな暮らしにお金を使いたいのかによって、答えは変わります。
年齢を重ねる中で変わっていく暮らしや心と、お金との関係を考えていく。
これが「金融老年学(ファイナンシャル・ジェロントロジー)」です。
同じ60歳でも、まだ仕事を続ける人もいれば、早く仕事を離れて自分の時間を楽しみたい人もいます。
旅行をしたい人、住まいを整えたい人、家族との時間を大切にしたい人もいるでしょう。
そう考えると、「60歳になったら貯めたお金を取り崩す」「高齢になったら投資はしない」と、年齢だけで線を引くことには少し無理があります。
大切なのは、何歳だからどうするかではなく、これからどんな時間を過ごしたいのか。
そのために、貯めるお金、使うお金、しばらく運用を続けるお金を、自分の暮らしに合わせて考えていく。
金融老年学(ファイナンシャル・ジェロントロジー)は、そんな「年齢とお金の関係」を考えるヒントを与えてくれます。
60歳は「老後の入口」ではなく、お金の使い方をもう一度考える時期なのかもしれません。

